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【着工】『SHINJUKU NEW VILLA』-現代における新しいかたち-

category: report
2023.07.28

暑い日が続いておりますが、7月の猛暑日日数の最多記録を更新したそうです。
さて、テレワークの普及によって、ITの変化は目覚ましいです。
その場にいなくても「Zoom」で打合せができる、「iPad」があれば、場所を選ばずどこでも仕事ができるのは、当たり前になりました。
最近見つけた未来のデバイスが2つあります。1つは、XREAL AirというARグラスです。
それは、メガネ型のディスプレイで目の前の空間に最大300インチの映像が投影されるというものです。

引用:Xreal

パソコンや携帯などのディバイスと接続した画面を自由に空間にレイアウトし、サイズも変えることができるそうです。2つ目は、先月Appleより発表された「Apple Vision Pro」です。初の空間コンピューターとして注目を集めています。日常生活のあらゆる場面を拡張し、便利にすると言われています。

 

引用:Apple

さて、ここから本題に入りますが、住まうことと働くことがひと繋がりとなった今、新しい生活を創造した建築空間をつくれないだろうかと日々考えています。そんな中、昨年より計画を進めていた『SHINJUKU NEW VILLA』-現代における新しいかたち-がいよいよ着工しました。

 

①土地
この場所は、歌川広重の各所江戸百景の「角筈熊野十二社」にも描かれているように、元来自然豊かな風景広がる土地でした。十二社池があったまわりには、起伏豊かな地形とそれに呼応するように柔らかく蛇行する道が広がっており、それらは今も残っており、この場所がもつ豊かさです。

各所江戸百景の「角筈熊野十二社」/歌川広重
十二社池の変遷 古地図より

ここでは、この土地をとりまく体験をそのまま建築化することを考えました。敷地は、旗竿状で年代も用途も違う7つの隣地建物に囲まれています。このエアポケットに、道からの体験を連続するように、そして、その先の外にもう一度連続するように、さまざまな大きさとかたちをもったルームと庭をつくれないかと考えました。

②SHINJUKU NEW VILLA(新宿ニューヴィラ)という名前
新宿という名の由来。江戸時代の1603 年(慶⾧8 年)に、徳川家康が日本橋を起点とした五街道を整備します。東海道・中山道・日光街道・奥州街道・甲州街道の5 つの街道にはそれぞれ宿場が置かれていました。1698 年(元禄11 年)、日本橋と高井戸の中間地点に新しく宿場をつくったのが新宿のはじまりです。江戸時代、この地は甲州街道の宿場町があった場所として、「新宿」の地名は「内藤新宿」を簡略にしたことに由来します。
「新宿」という名前の由来は、当時において、「人々が憩える新しい宿」です。今の時代の新しい拠点・宿(別荘)のかたちを提案します。

③生活の建築をつくる
西新宿の山手通りから少し入った静かな場所に建つ住居とオフィスが複合したような建築です。「複合したような」というのは、住まうことと働くことは一続きのものであり、用途が先行しない生きるための(生活の)建築をつくることを考えたためです。また、近隣オフィスのリサーチからプログラムを想定して、空間の使い方を模索しました。30~40㎡のオフィスで、プライベートサロン、アパレル、設計事務所、ソフトウェア開発、広告・映像制作、コンサル、コワーキングスペースetc.この場所らしい多様な活動を想定しました。


このようにしてできた、まちとまちの間のような9つのルームは、住まうことも働くことも共存する「まち」そのものであり、開かれた生活を人それぞれが創造することができるでしょう。そして、創造できる場は、生きることを豊かにするはずです。

Villa とは、「別荘、通例では、保有地に持つ広い庭つきの大邸宅」という意味があります。現代において、それは、必ずしも地方に限らないのではないでしょうか。むしろ都会の中のオアシスのように、別荘をもち、働く場を持つことは、現代的であり新しいVilla の在り方ではないでしょうか。この建築が、この場所「新宿」という名の由来、歴史と呼応し、新しいVilla のかたちとなり、豊かさをもたらすことを期待しています。

均質な内部空間ではなく、自然の中のように、外部空間・ランドスケープの延⾧としてルームがあり、ルームには、特徴のある多様な居場所が広がります。VILLA がもつ自然と一体となった状態を、この場所で、現代における新しいかたちとしての提案します。

 

 

来年2月中旬に竣工予定です。ご期待ください。
是非、新しい生活の空間体験をしに来てください。

 

minami&ミッキー