この建物は、すでに完成したグランジュール尾山台、世田谷船橋に次ぐ３番目のアクティブシニアに向けた『グランジュール』シリーズになります。グランジュール尾山台は車で8分と近い立地です。すでに２件、シマダグループで運営しているので、計画段階から、現地を訪れてヒアリングしたり、運営との打合せを繰り返して、計画を進めています。

写真:グランジュール尾山台

まずは、詳しく立地からご説明します。

□世田谷区最大規模の公園、オリンピック公園
駒沢公園は、世田谷区にある最大規模の公園。
41ｈa という広い公園内には全長2.1km のサイクリングコースやドッグラン、ジョギングコース、子供の遊び場もあります。広大な敷地には、陸上競技場、野球場、プール、テニスコートなどスポーツ施設がそろっていて、1964 年開催の東京オリンピックでは第二会場、東京オリンピック 2020でも使用されています。東京オリンピックのレガシーと言われています。

□緑の運動公園
スポーツ施設の周りには、121 種 7500 本もの樹木が植えられています。イチョウやケヤキ、トウカエデ、サクラなどの木々が四季折々の景色を彩ります。特にこの季節、公園の中のケヤキ並木、駒沢通り沿いのイチョウ並木は、都内でも有数の紅葉スポットとして知られています。

駒沢公園は、朝早くからジョギング・散歩・ラジオ体操等の人々で始まり、昼間は若い人達のリクレーションの場として、多くの人達に利用されています。

計画地向かいの南東側の街区には、当時、先進的なモデルとして注目を集めた『深沢環境共生住宅』があります。1997年に世田谷区が環境共生住宅テーマにシルバーハウジングプロジェクトとして建て替えた集合住宅団地です。環境共生住宅モデルのリーディングプロジェクトでさまざまな賞を受賞しています。現場に向かう際には、よく前を通っていますが、街区全体で街の景観に寄与しているのが良いなと思います。
出典:市浦ハウジング＆プランニング

続いて、建築デザインのポイントです。

【住宅エリアに調和する緑に満ちた景観デザイン】
外観は、地域に開かれた建築とするために、18m連続した軒庇は木が枝を広げるような形状として天然木を張り、柔らかく周辺住宅に溶け込むようにしています。また、バルコニーの手すりの一部は自動潅水を備えた植栽帯とすることで、徐々に外装が緑化し、時間をかけて自然と共生することを意図しています。接道している低層レベルは、駒沢公園に自生している樹木を植樹し、低層住宅エリアに調和する緑に満ちた景観デザインとしました。

【地域とつながるラウンジ】
低層で透明感のある建築とするため、1 階ラウンジは全面ガラス張で屋内と屋外をシームレスにつないでいます。ラウンジは地域住民や入居者の交流の場となるため、エントランスと一体利用することもでき、フレキシブルなスペースとなるように工夫しています。前面道路に向けて、全面開口とし、ラウンジでのアクティビティが街に溢れ出すことを期待しています。

【エントランス】
外装と同じ天然木を張った扉から中に入ると、エントランス正面には壁面緑化、ガラスドアにはファサードをモチーフにした格子があります。エントランスの右側にはラウンジがあり、連続した空間になっています。

【ラウンジ】
地域に開いたオープンスペースとするために、道路、エントランスに開口部を大きく取っています。木の壁に囲まれたラウンジと、コンシェルジュカウンターが設置されており、来訪者を温かく迎えます。

【廊下】
共用廊下では、玄関ドアや設備シャフトのドアを整え、シンプルなデザインにしました。さらに、間接照明とピクチャーレールを設置し、回廊ギャラリーのような雰囲気を演出しています。

【スカイラウンジ】
スカイラウンジは、屋上のガーデンテラスと室内とを一体感のあるデザインでつなぎ、ソファとテーブルを配置しています。室内からでも美しい景色を楽しむことができます。

先月上棟をして、完成に向けて内外装工事中です。来年の春頃にオープン予定です。
今後は、特設サイトがアップされ、詳細についてお知らせしていきますので、是非ご覧ください！

ミッキー