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マツバラハウス(旧称:グランアセット松原) 上棟!

category: report
2019.10.16

こんにちは!

台風19号(Hagibis)は日本各地に大きな爪痕を残しました。お住まいが浸水等の被害に遭って、まだ元の生活が戻っていない方も多くいらっしゃると存じます。被災された皆様には改めてお見舞いを申し上げます。
この国が、台風や地震など自然災害の脅威に常に晒されているということを再認識させられる機会が近頃多くなってきているように感じます。地球環境・気候変動に伴う自然災害は今後増える方向に進むと予測する研究者が多いようですが、こればかりは外れて欲しいと心から願って止みません。
不幸中の幸いではありますが、当社物件では倒壊などの大きな問題は起こらず、一同ほっとするとともに、軽微な被害にも迅速に対応すべく動いております。

地震や風雨に対する安全性とそれに伴う安心感は、我々が建物を造る上での最重要項目であり、これを抜きにしては何も始まりません。
下記は当社建築副部長の言葉です(一部脚色あり)。

SAPの木構造は、軸組工法にHSS金物工法を採用しているんだ!
HSS金物工法とは従来の木造仕口・継手部分を金物接合に置き換えることで、接合部が最大で2倍の強度を発揮すると言われているよ。
地震の揺れや複合応力に対する安全性も確認されていて、昨今の台風でもびくともしないんだね!

 

閑話休題。昨年から計画を進めていたグランアセット松原(仮称)が上棟しましたのでご報告します。
敷地は東急世田谷線松原駅から徒歩5分、京王線下高井戸駅から徒歩7分。二駅利用の利便性を有しながら、たいへん閑雅な住宅地です。

上で木構造のことを書いておきながら何ですが、この建物は自然災害に強く、耐用年数の長い鉄骨造であることが大きなポイントです。

●建物について●松原外観パース2

構造:鉄骨(重量鉄骨)造 地上3階建て
延床面積:499.5㎡
総戸数:25戸
各部屋の広さ:15㎡~40㎡

実施設計・監理業務を「株式会社石川淳建築設計事務所」に、施工業務を「株式会社前川建設」にお願いしました。

今日は建築家、石川淳さんについて簡単にご紹介!

●建築家について●
石川淳(いしかわじゅん)ishikawa

1966年    神奈川県湘南地方生まれ
1987年    建築模型屋
1990年    東京理科大学工学部第二部建築学科卒業
1990年    建築家早川邦彦氏に師事
1993年    インターデザインアソシエイツに参加
2002年    石川淳建築設計事務所設立
2009年〜13年 東京理科大学工学部二部建築学科非常勤講師
2010年    株式会社 石川淳建築設計事務所として法人化

ひとこと
今回はSAPさんの基本設計を元に実施設計と室内色彩計画などを担当しました。
いつもの石川淳節とはちがった作品に仕上がりそうで、完成が楽しみです。

実作はホームページをご覧ください(住宅建築好きの方にはおなじみ「渡辺篤史の建もの探訪(テレビ朝日)」の常連建築家です)。
印象的なのは白と黒のコントラストが美しい住宅の数々ですが、今回は特に「色彩計画」を一つのテーマとして挑戦していただいております。
SAP担当者の念頭にあったのは、デンマーク・コペンハーゲンの運河沿いにあるノイハウン(Nyhavn)地区を訪れたときの記憶でした。小振りな建物が、それぞれ色調・彩度の異なる仕上げでありながら、全体として調和のとれた景観デザインになっており、コペンハーゲンで最も美しい街として知られています。この印象を、画一的になりがちな共同住宅に導入できないかと考えました。建物形状を少しずつずらしながら外装の色調を変えることで奥行き感や独立感を醸成し、住戸の前を歩くのが楽しくなるような住宅を目指しています。

コペンハーゲン・ノイハウン地区DSC04450_RDSC04426_R

内装は、モノトーンおよび有彩色のお部屋でバリエーションを豊富に揃え、入居される方に「選ぶ楽しみ」を味わっていただきたいという趣向になっています。
もちろんSAPならではのCULM(コンパクト・アーバン・リビング・メソッド。今作りました)を踏襲し、空間を最大限に活用できるお部屋をご用意する予定です。

●工事の様子●
皆様も新聞等でお読みになったことがあるかもしれません、東京オリンピックや都心再開発の影響で、鋼材の価格が上昇し・入手性も極端に悪化して全国の建設現場が混乱したことを。この建物も例外ではなく、品質の良い鉄骨や高力ボルトを入手するために、前川建設の前川社長には文字通り奔走していただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

無事に上棟し、感慨深いものがあります。AAA03204_RAAA03214_RAAA03062_RAAA03215_R

細かいところですが、注意深く見ると上下階で柱のサイズが違うことが判ります。柱絞り_R

このような柱絞り部を作ることは、コストもかかり製作も大変なのですが、建物全体の重量バランス(下部を重く、上部を軽く)を整えて、地震などに強い建物となるよう計算された結果です。仕上げをすれば隠れてしまうところですが、こういう目に見えないところの積み重ねが建物の安全性を高めることに繋がります。

一部外装工事が先行して進められている個所もあります。AAA03221_R

内観イメージは後日アップする、、かもしれません。

現場に鉄骨を運び込む前の、工場検査の様子(石川さん提供)。IMG_9572_RIMG_9575_RIMG_9576_RIMG_9577_RIMG_9580_RIMG_9585_R

経験豊富な設計監理者、施工者がスクラムを組んで、工事に邁進しています。

近隣の住民の皆様にはもうしばらくの間ご迷惑をお掛けしますが、周辺環境には十分配慮しながら工事を行って参りますので、何卒ご理解の程宜しくお願いいたします。

グランアセット松原(仮称)、2020年1月末竣工予定です。

g.o.A.T.