皆様、このGWはどう過ごされましたか。“Stay home”で退屈な毎日を過ごしながら、これから先の世界について、日本について、自分たちの事業について、不安な日々を送った皆様も多いのではないでしょうか?
緊急事態宣言が5月31日まで延長されました。休業要請やテレワークが継続される中、営業再開の目処が立たない事業者の皆様も多いことと存じます。
私達シマダグループは、不動産開発から賃貸管理、ホテル・飲食・介護・保育・旅行業など幅広い事業を行なっております。金融が最初にストップしたリーマンショック時は、私どもSAPの不動産開発事業がまず大きな影響を受けました。今回のウィルスによる実体経済の急速な悪化は、ホテルや飲食などの運営事業に大きく直撃しています。シマダグループのホテル6施設、Com Pho11店舗、保育園、旅行業は全店休業中です。石垣島への来島者がいなくなり、日本から外国人がいなくなり、コロナ収束後もインバウンド旅行者が戻ってくるのには相当な年月が必要になるでしょう。グローバリズムとは正反対の、全く新しい世界への対応が必要になります。
その一方で、エッセンシャルワーカーという言葉が広がり、その役割の大きさが取り上げられています。シマダグループでは13の介護施設運営を行っております。従業員と入居者以外はその家族も含め入館禁止、一人の感染者の発生が高齢者の皆様の生命に関わるという緊張感の中、日々業務に従事している社員・スタッフには本当に頭の下がる思いです。
さて、このGWはほとんどの時間、読書をして過ごしました。本とあまりにも多くの時間向き合っていたのでその役割について、ふと考えてしまいました。
①趣味としての楽しみを与えてくれる役割。本の装丁デザインからも楽しみをもらいます。 ②当然、知識や教養、自分の知らない世界を与えてくれます。 ③私達の建物造りには、空間の雰囲気を演出してくれる、という大切な役割をもらいます。ホテルのラウンジなどがその一例です。
bar hotel 箱根香山のラウンジ 浅間山を臨む大開口の前に開かれた本。ホテルで大自然を眺めながらゆっくりと過ごす時間を想起させます。
底倉温泉つたや旅館のギャラリー 敷き詰めて設置された家具の中に、箱根七湯や浮世絵、春画などの本をセレクト。レトロな雰囲気を演出しています。
読書が趣味の方も多くいらっしゃると思います。私は美術小説が好きで私のお薦め本は以下です。
◇原田マハさん 「暗幕のゲルニカ」「ジヴェルニーの食卓」「デトロイト美術館の奇跡」などお薦めはたくさんあります。
◇ダン・ブラウン 「ダ・ヴィンチ・コード」が有名ですね。西洋美術と感染症を扱った「インフェルノ」が今の問題に直結していて考えさせられます。
◇辻仁成さん シマダグループとしてお付き合いがあります。「海峡の光」で芥川賞を受賞し、「サヨナライツカ」「冷静と情熱のあいだ」が有名ですが、「日付変更線」お薦めです。
今回のGW中、基本に戻ろうと「Metamorphose」(シマダグループ代表 島田成年の考えが詰まった本)、「私の記憶」(創業者 島田政治著書)を読み返しました。と言いましても「Metamorphose」は絵本仕立てなので数分で目を通せてしまいますが。
1963年会社設立のシマダグループはあと3年で還暦の60周年を迎えます。会社のミッションである“Only one”を追求し、短期的な利益を目指すアメリカ型の会社ではなく、その時代時代に必要とされる何百年と続くヨーロッパ型の会社を目指してきた結果、今のシマダグループがあると思っています。この世界的な危機に直面し、グループとして培ってきた基本に立ち返り、お取引先の皆様に必要とされ、働く社員とその家族がいつも笑顔でいられる。そんな企業理念を第一に、この困難な時期を乗り越えていく決意です。
引き続きご支援の程、宜しくお願いいたします。
佐藤 悌章